崇徳院

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若旦那の病

熊五郎が訊けば

恋わずらい

「銭のある奴はしょうもないことで患いやがって」

 

親旦那からの

借金帳消し、蔵付五件の借家、お礼の一時金に

熊五郎夫妻は一転必死

 

嫁はんの言いつけ通り

床屋と風呂屋めぐり

 

手掛かりなく諦めかけに

上の句がつながる

「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の」

相手の嬢も恋わずらい

 

末の句

「われても末に 逢わむとも思う」

 

われて逢わむと

いくら情緒に言えど

捜してくれたから

人が動いてくれたから

 

せっかくの思いは金に換算された

 

 「銭のある奴はしょうもないことで患いやがって」

恋に限らず

熊五郎の通りとしか言いようがない